アイアンマン ニュージーランド レース概要
・レース名
アイアンマン ニュージーランド
・開催日時
2017年3月4日
・開催場所
Taupo,New Zealand
・天候
晴れ
・距離
スイム3.8km、バイク180km、ラン42.195km
・年齢
30代前半
・性別
男性
・機材
使用しているバイク
キャノンデール CAAD12
使用ホイール DURAACE C35 クリンチャー
使用スプロケット 12-28T
アイアンマンニュージーランド レースレポート
Road to Ironman!!
Ironmanレースは、「世界一過酷なレース」と言われている。スイム3.8km、バイク180km、ラン42.195kmという競技の完走者をアイアンマン=鉄人と呼ぶにふさわしいレースである。(ホリエモンがIronmanに挑戦した時のブログから抜粋)
背景
2017年3月のIronman New Zealandに出場しようと思ったのは、2016年10月頃でした。ちょうどYL2の天津出張所から帰任して、またトレーニング環境(主にRunとBike)が整ったからです。元々、2016年内のIronman台湾(10月)かIronmanマレーシア(11月)の出場を視野に入れていましたが、赴任によりトレーニングが不足していることから断念。Ironman New Zealandへ出場を決めてから本番のレースまで4ヶ月と少ししかありませんでしたが、是非とも20代のうちにIronmanを完走しておきたかったのです。(ちなみに2017年3月末に三十路へ突入見込み:不要情報?笑)トライアスロンのオリンピック距離(通常距離)は2016年4月にデビュー、そこから3ヶ月の間に4レース完走し、マラソンは最近の2年で3回完走しているので、何とかなるだろうという安易な気持ちはありました。ただ、社会人になるまでは運動を殆ど行っていない帰宅部生であったことも追記しておこうと思います。走ることに目覚めたのは新入社員時代の海外研修で赴いた、娯楽が何も無いパプアニューギニアが転機であることは間違いありません。
Ironmanのテーマは”Anything is possible.”ですが、本当にその通りだと実感することを出来るのがIronman出場の醍醐味だと思っています。
トレーニング編
トレーニングは基本的に週5、6で最低1日は全くトレーニングをしない休養日を設けました。また、会社の水泳部に入部し、自分だけではこなせないメニューを部員の力をお借りしてこなすことにしています。スイムは他にも毎週土曜日に代々木の長水路プールで朝7:00から行われるOWS(オープンウォータースイム)の練習会に参加し、長く泳ぐためのフォームの習得を図りました。週に最低2回を目標とし、時間があればもう1日増やすことで、3.8kmを泳ぎ切ることに専念する練習を行っていました。基本的にスイムは2015年の8月から我流で練習をしており、スピードは無いものの長く泳ぐことが出来るようになっています。参考までにトライアスロンをしている人には有名な水泳法の“トータルイマージョン”がベースとなっているので、トライアスロンに挑戦する人はYoutubeで是非観てみてほしいと思います。
スイムと同じくらい重点を置いていたのがBikeであり、本番のレースでは6~8時間と3つのパートの中で最も競技時間が長いのが特長です。ちなみにロードバイクを買ったのは2015年の10月で、天津の赴任までは本格的なトレーニングを行ったことの無いビギナーでした。天津赴任後に、Bikeのサドルやハンドル位置を自分の体に合わせるフィッティングと呼ばれるものを行い、そこで知り合った元アジアチャンピオンにトレーニング方法を教えてもらいました。平日は室内でローラー台を一定ペースで30分を週に3,4回。週末はなるべく信号の少ないサイクリングロードにて時速30km以上を維持する練習をしました。距離は毎回100km弱を目指していましたが、元アジアチャンピオン曰く、距離ではなく練習内容であるらしいです。余談ですが、トライアスロンのレースに出ると周りの選手たちは100万円以上するTTバイクに平気で乗っています。皆そのおかげで非常に速そうな雰囲気を醸し出していますが、結局は自分の脚力を信じるということで1年半前に初めて買ったロードバイク(しかもカーボン素材ではなくアルミ。笑)で出場することにしました。ただ単に経済的な理由であろうというツッコミはありそうですが。。。
Runは正直そこまで力を入れた練習をしていません。Bikeのローラー台30分後に軽いペースで10km弱を走る日を平日2回。週末のBikeトレーニングが無い日にLSD(遅めのペースを一定で長い距離を走り、有酸素運動能力の向上が出来る)で20kmを1回。最近知りましたが、平日に行っているBilkeで追い込んだ後にRunを行うトレーニング方法はブリックランと呼ばれるトレーニングメニューで、実践を意識したRunを体験出来るとのこと。このブリックラン、Ironman1ヶ月前の神奈川マラソン(ハーフマラソン、1:31:45)で去年のタイムを5分も縮める結果を出しているので非常に効果があると感じています。
最後に、1ヶ月のトレーニング成果を感じるために、1ヶ月に1回、一人ハーフアイアンマン(Swim2km, Bike100km, Run20km)を行っていました。一日中費やしてしまうのが辛い痛い所ですが、Ironman完走するための自信付けに効果があると思います。
4ヶ月のトレーニング記録(ピンクで囲っているのがトレーニング日)
ギア編
Swimでは、タウポ湖の水温が19℃~20℃ということもあり、ウェットスーツを着用します。同期と2人で始めたので、同じ店で自分にフィットするウェットスーツをオーダーしました。自分仕様なので4万円強した覚えがあります。私の場合は既成品が体格的に合わないので選択肢はありませんでしたが、もし既成品のサイズが合う人であれば、価格も安いもので構わないと思います。スイムで一番重要なのは体に合っているかという点で、体とあまり合っていないウェットスーツでレースに臨むと、パニックになり大変危険です。ただ、誰かと一緒にトライアスロンを始めるに当たって注意する重要な点がひとつあります。ついつい同時期に始めた人と同じウェットスーツを購入してします。が、その流れでその人と海の練習会などに参加すると、ペアルックになるのでだいぶ気持ち悪いです。同期と2人で練習会やレースなどに参加していましたが、ペアルックが気になって練習や大会への集中が出来ませんでした。。。まぁ、このペアルックのおかげで面白いおじさんに「フレッシュ感が出てて良いね!」と声を掛けられ、そこから仲良くなったこともあるので何とも言い難いですが・・・
Bikeは、CannondaleのCAAD12を購入しました。たまたま購入を検討していた際に、旅行で出会ったトライアスリートのオススメの自転車という安直な理由です。むしろロードバイクに乗ったこともない自転車ビギナーな私は、タイ赴任3ヶ月を終えた後、他の自転車の検討は一切せずにCGH隣のMon-bellで即購入しました。お金のある人(赴任後の方など)には、SpecializedやCervelloなど、見た目が非常に格好良いのでオススメします。
ただ、自転車を買うにあたって一番重要なことは自分の体に合ったサイズを購入することに尽きます。そして、買った瞬間から自転車を自分の体に合わせる「フィッティング」を行うことが最重要です。1年ほどはこのフィッティング無しで自転車に乗っていて、長距離を走るたびに膝痛・足首痛に悩まされていました。けれど、このフィッティングを行ったあとは、長距離後でも痛みが起こることが無くなりました。よく自転車乗りの方が膝痛、腰痛に悩まされることをよく聞きますが、その原因の大半は乗っているポジションが悪いのが原因だそうです。(元アジアチャンピオン談)そして、さらに嬉しい特典がもう1つ、正しいポジションで乗っていると効率的なペダリングが自然に出来てくることです。この効率的なペダリングというのがポイントで、Bikeパートが終わっても体力に余力が残ることです。アイアンマンレースでBikeパート後にマラソンのサブ4が達成できたのも、このフィッティングだと信じて疑っていません。
ただ残念ながらこのフィッティング、自分では確実に出来ません。 トレーニング編で述べた元アジアチャンピオンがKINOFITという会社を興しているので、興味ある方は一報頂ければ紹介できます。自転車・トライアスロン業界では割と有名なので予約も中々取れませんが、運よく同世代でご近所で銭湯仲間ということもあり、仲良くなりました。笑 日本でフィッティングさせたら一番と評判高い彼ですが、まだ若干25歳、そしてキャラが大変個性的なので人生で一度は出会っておく価値のある人でもあります。何かを人から学ぶことに年齢なんて関係ないと彼に会って感じました。
後は、さすがにホイールは決戦用ホイールを使おうと購入を検討しましたが、前輪後輪合わせて2~30万円と非常に高額でしたので、購入は諦めました。ただ、最近は何でもシェアリングの時代なので、決戦用ホイールもレンタル会社があるのでは・・・と思っていたところ、見事に予想通りそういった会社が存在しました。1週間で6~7000円と安く、完成車でついてくる鉄下駄ホイールとは圧倒的に乗り心地、ペダリング性が向上しました。
Runは特に明記する必要がないかと。。。トライアスロン用のシューズもありますが、特にトランジションで履きやすいということだけで、中々値段が高いというイメージ。日本人の足に合うのはASICSでしょ!という固定概念+型落ちが安いので、ついついASICSを買ってしまいます。桜木町駅から野毛に向かう途中にあるB&Dでよく型落ちのセールがやっているので、おすすめです。
また、トライアスロンと言えばトランジション(着替え、ギアの履き替え等)がありますが、人によってはゴム製のブツブツした紐タイプのものを使っている人もいます。
大会前@現地編
大会2日前
現地に着いて(大会3日前夕方現地着)からは大会を想定して起床時間を決めました。大会スタート時刻7時の2時間前には朝食を終えたかったので、朝の4時というかなり早めの時間です。ちなみにニュージーはサマータイムもあって、日本との時差はこの時期4時間もあります。そして夜8時まで日の入がなく、夜になっても夜に感じないと思いました。起床時間帯以外にも気をつけていたのは、まずは1週間ほど禁酒。また、エイドで飲めるコーラ(カフェイン)の効果を高めるために、コーヒーは飲まないようにしていました。レース前にカフェインを体から完全に抜いておくことで、レース中のカフェイン摂取に効果が絶大だとか。。。
予定通り4時過ぎに起床し朝食を終えたら、早速タウポ湖で朝7時から試泳を行います。近づいて見ると湖の水は透明度がかなり高く、昨年出た石垣島並に綺麗な水でした。ただ水温は20℃弱なので、ウェットスーツは袖ありが絶対に良いです。湖ということもあり、穏やかな水面でかなり気持ちよく泳げるのがオープンウォーターの醍醐味だなぁとつくづく思いました。(大会当日は全く別の気持ちになりますが・・・)この日は800mくらい泳いで満足し、バイクとランのコースを下見して午前は終了です。
午後の選手受付は空いているかと思いきや、1000人近い選手がエントリーしていることもあり、受付だけで1時間程待つことになりました。この選手受付で自分のビブ(ゼッケン)やトランジションで使うギアバッグ、シールを受け取ると、いよいよ後2日後に大会へ出るという実感が沸いてきます。
この後は事前に決めてきたバイクとランで預ける荷物やバイクのセッティングを準備します。通常のオリンピックディスタンスとは異なり、預ける物が多くあるので前持ってチェックシートを準備しておくと不安感なく、準備を進めることが出来るかと思います。スペシャルニーズ(レースの途中で貰える預け荷物)といったロングディスタンス独特の制度もあるので、割と頭を使う緻密な準備が必要です。
夕方からはカーボローディングパーティが開催され、ひたすら炭水化物の料理がビュッフェ形式で提供されます。何回かIronman New Zealandに出場している人から言わせると、今年の料理がかなり質が悪くなっているとか・・・(中国の企業にIronman運営会社が買収された影響でしょうか。笑)特に期待してなかったので、自分は問題ありませんでした。
大会前日
この日も朝4時起き・・・と言っても、前日は21時には就寝したので、睡眠は十分に取れていました。が、何やら体調が芳しくなく、ひたすら日本から持参した葛根湯を服用していました。「病は気から」という言葉を信じ、なるべく気にせずに朝からタウポ湖で1.5kmほど試泳。この日も湖は穏やかで、3.8kmもこれなら大丈夫だと確信を持ってスイムアップ。
バイクとギアバックをもう一度チェックして、最後は、まぁ何とかなるだろう!と、全ての荷物とバイクをトランジション会場まで預けに行きました。預けてしまえば、後はもう何もすることがなく、湖の近くで読書したり昼寝したりと明日の大会を意識せずに過ごしました。
が、午後から段々と風が強くなり、明日の天気予報を見ても更に風が強くなるとのこと…そして、風が吹く方向もBikeコースには致命的という情報が。。。けれど、ここまで厳しい条件が整うと、この厳しい条件でのアイアンマンレースを必ず完走するとの気持ちが高まりました。
大会当日編に続く。
端から端以上に泳ぎます片道1.9km。透明度高い。
持ち物リスト
バイクペース&補食(バイクに貼り付け)
Bike預け荷物
Run預け荷物
スペシャルニーズ(Bike)
スペシャルニーズ(Run)
大会当日編
予定通り4時起床。前日から気になっていた体調もいつもよりは少し悪いくらいで、そこまで悪くはない感じ。とりあえず、朝一に気休めの葛根湯を飲んでレースに向けてドーピングしました。(お医者さん曰く、葛根湯はドーピング検査に引っかかるらしいので、アスリートの皆さんはご注意下さい。)
5:00にトランジション会場へ向かい、バイクの最終チェック。ここではバイクパートの補給(水や補給職)の準備と、タイヤに空気を入れます。あっさりと15分で終了し、そのまま長くいるとバイクが気になって仕方ないので、もう一度宿に帰りました。今回の宿が一番良かったのはスイムスタートの会場へ歩いて10分弱で行けること。トライアスロンのスタート前にトイレへ行きたくなる自分には心強い近さでした。笑 ウェットスーツを着て6:30に到着。水温が低いのでウォームアップの時間で湖には入らず、スタート10分前のスタンバイまで心を沈めて待ちます。
Bikeトランジション
スイムパート
IronmanのYoutube動画を観たことある方は分かるかと思いますが、Ironmanはスタートが非常に格好良いんです。(ちなみにIronman Race関係の映画で「Great Days」という映画にもその圧巻のスタートシーンが出てきます。観てない人は是非観てみてください!頑張るお父さんに涙すること必至です。)1000人近くの選手たちがこれから先の長いレースを見据えて湖でスタートを待ち、静まりかえる中でのスタートの号砲(本当に大砲)・・・選手たちが一斉にスタートする瞬間は、正に圧巻。その圧巻の中に自分がいる!という興奮の渦に!!!の予定がスタート前は偶然にも隣にタイ人が居て、ひたすら喋っていて、喋っていたら号砲が轟きました。「Choke Dee!(幸運を!)」というタイ語をお互いに掛け合い、スイムスタート。
実は、前日から今回のIronman New Zealandツアーの主催者(ニュージー在住プロトライアスリートの日本人夫婦)を通して、非常に天候のコンディションが厳しい事を伝えられていました。風速25km/h弱の強風が吹き荒れていて、昨日まで穏やかだった湖はまるで海の如く荒れていたのです。波のおかげで200m弱ごとに置かれていたIronmanマークのブイは見えたり見えなかったり。真ん中にいたお陰でスタートの15分はバトル(選手同士の体がぶつかりあう事)だらけで、湖水飲みまくり。唯一良かったのは意外と自分が冷静でいられたことでした。ひとまずバタ足をあまりしない人のすぐ後ろにつくコバンザメ戦法で往路の1900mは予想よりも早く終わりました。が、折り返しからが更なる状況の悪化で波は強くなり、先ほどコバンザメをさせて頂いた選手を見失いました。ここはもう腹を括り、自分の力で行くしかない!と思ったのも束の間、波の影響で水をがぶ飲みして、コバンザメ戦法の続行を余儀なくされました。引っ張ってくれる良き師匠たちを次々と乗換え、遂に最終ブイが見えた時は無事にスイムが終えられたことを確信。腕時計を見ると昨年既にIronman TaiwanでIronmanを達成している某ライバル会社の友達より速いタイムが刻まれており、俄然、水をかく力が沸いてきました。人間って本当に気持ち次第なんですよね。。。
1時間20分でスイムアップ。
後から訊くとこのスイムでリタイアした人はかなりいたそうで、本当に良い師匠たちに巡り合えて良かった、と心底思いました。
バイクパート
ここのバイクコースは往復一直線90kmを2周回するものです。下見の際に「往路は下りが多くて、復路は急ではないが緩やかな登りが続きます。当日の風の方向には十分注意して下さい。往路が追い風のときは、苦しいレースになるでしょう。復路で向かい風の登り基調になりますから。」本当にあり難いお言葉で、その言霊通りのコンディションになりました。タイムレコードを見ていただけると分かるかと思いますが、復路では完全に心が折れます。特に2週目の復路は気力が萎えて仕方がありません。ここでどう気力を維持するかというと、やはり自分で設定したタイムを絶対に守り抜くこと。最近流行っている本のタイトル通りまさに「GRIT(やり抜く力)」です。後は、つい風に向かって恨みつらみをぶつけたくなるのですが、マイナスの言葉を吐くほど力が抜けていきます。ついつい「クソっ!」と口走るのですが「・・・っていうのは冗談で、これは良い試練。」とプラス思考の言葉を呟き足すのが、重要です。脳を錯覚させるには言葉から。
強風以外で辛かったのは補給の失敗?による胃の不調でした。バイクパートが始まって30分ほどして胃が締め付けられるような痛みに襲われたのです。そして、この胃痛はバイクが終わる1時間前まで続いたと記憶しています。たぶん原因は補給食のジェルとようかんを短い間隔で摂取し過ぎたこと。補給戦略を距離ベースで立てていたので、往路の速度が予想以上に出て、補給間隔が短くなってしまいました。また、胃薬を持参していなかったのも痛い失敗でした。「トライアスロン ロング 補給 持ち物」で検索すると、多くの割合で「胃薬」が出てきます。が、自分には不要と思い、全く用意していませんでした。次回に向けて、胃痛のメカニズムくらいは調べていこうと思います。
3種目の中で一番長いバイクパートも終わりが見えて来た時に感じたのは、向かい風による安堵感with極度の疲弊感でした。しかしながら、バイクで最も恐れていたタイヤのパンクとハンガーノック(補給不足による運動能力低下)も起こらず、7時間弱でようやくバイクパート終了を終えたことで、自分がIronmanになれる確信を得てランパートに向かいました。
ランパート
14kmのコースを3周回するランコース。もう自分がIronmanになれると思った瞬間、体が軽くなりました。また、ランのコースの沿道はどこも応援の人たちで埋め尽くされていて、こんなに盛り上げてくれるマラソンは他に無いんじゃないかと思うほど。タウポに在住している20%の方がボランティアに参加しているにも関わらず、この応援の人たちの数は他のIronmanレースでも類を見ないと思います。
スイム、バイクを終えた後、どの位のペースで走れるのかが分からず、腕時計を見ずに5分ほど走っていました。ふと時計のペースを見ると、キロ4:30ペースでオーバーペース。練習でハーフアイアンマンをしていましたが、スイム・バイク後のランって意外と足が動きます。9時間弱の入念なウォーミングアップのおかげでしょうか。笑
ただ帰路4:30ペースは42kmもたないと思い、キロ6:00くらいでゆっくり確実に走ろうと思ったのですが、中々ゆっくり走ろうと思ってもペースが落ちず、キロ5:30で落ち着きました。これならアイアンマン後にサブ4(マラソンで4時間を切ること。一般ランナーはまずこのタイムを目標にします。エリートランナーになるとサブ3・・・)を狙えると考え出したら、欲が出てそのままキロ5:30をキープすることにしました。
このコースで一番助けられたのはエイドの多さです。ほぼ2.5kmごとにエイドがあり、水・スポーツドリンク・コーラ・果物・ポテトチップ・ジェルなど様々なものを配ってくれます。毎回のエイドでは、歩きながら自分の欲しいものを取り、絶対にエイドまではアップダウンがあっても走るのを止めない自分ルールを徹底しました。ラップ3週目からは、コーラを飲んでカフェイン摂取して自分に気合を入れます。NZに着いてからカフェインの含んでいるコーヒー等は飲むのを控えていたので、コーラの効き目はかなりあったと思います。
いつものハーフマラソンやトレランの時に何を念じながら走っているかというと、たいてい「温泉・ビール・温泉・ビール」を唱えて自分を叱咤激励していました。が、今回は自然に「Ironmanでサブ4・Ironmanでサブ4」が頭をよぎっていました。レース直前で某ライバル会社友人のタイムがランパート4時間20分が頭に残っていたからかもしれません。
3周目の最終ラップでは足の痛みが凄かったですが、沿道からの「Pain is temporary. But, your memory is forever.」という応援を糧に、自分でも予想していなかったIronmanでサブ4を達成することが出来ました。
総評~Ironma Raceを通じて~
これまで生きてきた30年間を振り返ってみると、要領だけが良い器用貧乏というのが私の取り柄でした。また、とくに1つのことに執着しない性格も相まって、いつもそこそこのレベルに到達してしまうと、そこで満足をしていました。ただ満足しているハズなのに自分に対してあまり自信が持てない・・・よくよく考えてみるとそれは満足ではなく、それ以上の上のレベルに到達することは自分には無理なのでは無いかと勝手に限界を決め付けていたと、最近になって気付きました。30歳という区切りでこれを打開するのは何か無いかと模索していると、丁度そこにあったのがIronman Raceだったのかもしれません。(若干後付けでしょうか?笑)トライアスロンを始めた当初の自分には、Ironman Raceはあまりにも有り得ない途方も無い距離、自分の限界以上の距離だと思っていました。けれど、自分で限界を決め付けていては何も始まりませんし、これを機に限界を決めるクセを治そうと腹を括りました。一旦腹を括って始めてみると、意外と何かに打ち込んでるのって非常に気持ちが良いんです。この大会当日までの4ヶ月間、練習はしんどかったですが、心は充実していました。Ironman Raceに少しでも興味ある方がいれば、是非とも挑戦して欲しいと思います。自分には無理・・・と思っている方にほどオススメします。背景編でも書きましたが、社会人になるまで運動歴の少ない私でも完走出来たので、コツコツとトレーニングすれば絶対に完走出来ることは証明済みです。
長くなりましたが、Ironmanのテーマである“Anything is possible.”を胸にこれからも様々なものに限界を決めずに挑戦していこうと思います。ちなみにアイアンマンレースよりも更に長い“ウルトラマン・トライアスロン”(Swim 10km+Bike 430km+Run84kmを3日に渡って行う)やアドベンチャーレース(チームで、MTBやカヌー、トレラン)などが他にもあるようです。笑
長々とした文章に最後までお付き合い頂き、ありがとうございました。
大切なレース前に! 今、出せる最高のパフォーマンスを目指して!
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ガーミンマウントでサイクルコンピュータとしてロードバイクにも装着可能!